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見方を変えれば答えが見つかる

先日あった話です。
支援先のベンチャー企業の社長さんからの言葉。
「(新しいアイデアを思いつき)ヒアリングしたのですけど、使えないって言われてしまいました。このままでは先に進めそうもないです。」
さてどうしたら良いものでしょうか?


日頃、顧問として事業推進における様々なアイデア出し支援なども行っています。 その実例です。

その会社では利用者の情報を主体としたメディアを企画しています。まぁ、「商品」の口コミサイトみたいなものと考えてください。
アイデアは面白く、非常に消費者目線。斬新なサービスです。
そこで、イメージがわかるように紙芝居を作成し、最も使うであろう女子大生連中にヒアリングしたそうです。

そうしたら・・・
「これ、あったら是非とも使いたいんだけど、お店でさすがに使えない。」
それを聞いての冒頭の言葉です。

さて、これを聞いてどう考えたら良いのでしょうか?

事象の理由を明確にする

ここで諦める人が多いです。
「あぁ、ヒアリングの結果ダメということは無理か・・・。実際の利用者に直接聞いたわけだから。」
確かに実際の(想定される)利用者に話を聞いた結果です。結果は真摯に受け止める。
正しそうに聞こえますが・・・・。

「違う機能にしてみてはどうだろうか?」
これは少し良いアプローチです。
これは当然考えますね。その社長さんもこちらを一生懸命考えていたようです。

でも、一つ忘れていることがあります。
その事象を正確に理解することです。
つまり、「その発言の意図」、「どうしてそういう発言になったのか?」ということです。

彼に質問しました。
「使えないというのはどういう理由でしょうか?」
「店員の目がある中でこのアプリを使えないということです。」
「なぜ店員がいるとまずいの?」
「お店にとって良くないことのように思えるから。」

ここではっきりしました。
使えないと言っているのは、「店員の目が気になるということ。」
つまり、「この行為がお店の不利につながるような気がするから、使うのには気が引ける=使えない。」
なわけです。「使えない」には理由があるわけです。
これ、話を聞いている時に、結構省かれることが多いのです。
「暗黙の了解」というのでしょうか?
きちんと聞き出さないと、聞き流してしまうことも。

視点の次元を上げる

では次に考えることは問題の解決のための視点を変えること。
この場合は、問題点を「女子大生」に向けるのではなく、彼女たちが対象として思っている「店員」に向けるという意味です。

つまり、事象の裏にある事実。
「店員の目が気になる。」

なぜ気になるのか?
「お店に対して何か悪いことをしているような感覚となる。」

では、「店員を味方につけることができたら、この問題は解決するのでは?」と考えるわけです。
「店員が喜んで使うものとして売り込めないか?」
「これを使うことで、店員たちがより商品を売りやすくできないか?」
目先の機能を変えるのではなく、より根っこにあるところをいじるわけです。

このケースでは見方を変えれば店員のメリットを出すことが出来ました。
つまり、「敵」だと思っていた人々を味方につけることができたのです。

さらにその「店員が喜んで使うような仕組み」をアイデアとして伝えました。
要は店員自身がそのサービスを率先して使い、さらにそれを知らない顧客にも教えてしまうという仕組みです。
人気ショップの店員が使う、新しいスタイルとして売り込もうというアイデアですね。

わずか数10分のヒアリングで、まったく無理と思われていたことが見事にひっくり返る。
しかもひっくり返るどころではなく、推進案にまで変わっている。
「目からうろこが落ちました・・・。そんなことがあるんですね・・・。気が付きませんでした。」 という社長さんの言葉。

これは特殊なケースではありません。
例えば議事録、営業記録を読むとこのような話はいくらでもあります。
「お客様は◯◯◯と言った。(だからこの商品は売れない。)」的な話。

ですが、その原因追求にまで至っていないわけです。

モノ同士の関係を理解する

すべてのモノには作用、反作用があります。モノ同士がなんらかの関係を持っています。
例えばテーブルの上にあるノート。
ノートは空中に浮いているわけではなく、テーブルの上にある。
実は結構この「テーブル」に相当するものを忘れがちです。

例えば、手を触れずにノートを動かすことを考えます。
普通無理ですね。
でも・・・・そう、「テーブル」を傾けてしまっても良いわけです(苦笑)
同じことです。

先の女子大生の例では、「女子大生」「サービス・アプリ」「商品」は見えているのですが「店員」の視点が固定化されていたわけです。

まずは登場する「モノ」をはっきりさせ、それぞれの関係を考えてみる。
そして根本的原因がどこにあるのか?何を動かせば全部変化するのか?を見てみるわけです。
そうすれば上で書いたような「発見」が必ず出てきます。
(この具体的やり方は別途説明したいと思います。)

注)この件ですが、現在進行形のプロジェクトでもあるので内容を変え、ぼかしています。

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