韓国でのソリューション事業

本日は、韓国のソリューション事業について書いてみようと思います。
私の感想ですが、韓国の方々は日本人より「抽象化」「概念化」が得意のように見えます。

ソリューションとは?

そもそも「ソリューション事業」とはなんでしょう?

これ、委託開発でもない、パッケージでもない。ちょうどその中間みたいなものです。
洋服で言うと「セミオーダー」ですね。

背広で言えば、背広で言うところの「形」がありますね。パターンとも言えます。
その上で、襟のシングル、ダブル、裾のベンツなどの形状を変えたり、袖や丈を変えていくものです。

じゃ、システムの場合それはなにか?という話ですが、具体例をあげます。

証券トレーディングシステムに見るソリューション

今ではおなじみの証券会社でのリアルタイムトレーディングシステム。
家にいながらまるでプロのトレーダが使うようなシステムを使える、アレです。

あれ複雑ですよね?どうやって開発するのでしょうね?
リアルタイムで株価は変更、板情報(銘柄の価格ごとの注文数)、チャートなどがパカパカ動いています。
その上で発注までリアルタイム。

実は・・・
ご存知でしょうか?
今の日本のリアルタイムトレーディングシステムソリューションとして韓国のソリューションを使われているというのが多いということを。

韓国では先物オプションが上場してから、この種のリアルタイムトレーディングシステムがどんどん発展してきました。
(実は、その裏には私がいたのですが、そのお話は別の機会に・・・)

そのシステムですが、実は同じようなソリューションが使われているのです。

「同じソリューションだとしたら、皆同じじゃないの?」
そう思われる方も多いと思います。

証券トレーディングシステムソリューションの構成

実は、このソリューション、大きく次の構成からなっています。

1)画面作成機能
2)クエリー機能
3)データ配信機能
この3つの組み合わせで、様々な画面が創りだされているのです。

画面作成機能は、お絵かきツールみたいなものです。
テーブル表示が一番多いかもしれませんね。
そこに何を表示するのか指定します。
その時に、そのデータの振る舞いも決めます。
a)入力値
b)出力値
b’)出力値だが、表示した後、値が変わったら自動的に更新する。

次にクエリ機能。問い合わせ管理機能です。
画面を作ると、入力値、出力値が決まります。それを記述します。

データ配信機能は、そのクエリの元になる情報を取ってくる役目です。
有るデータはロイターからの配信フィードから取得。
あるものは、残高DBから取得。
そして発注情報は発注エンジンに送信
というような役目です。

つまり、1)2)3)の機能の組み合わせだけで様々な情報画面が作り出せるわけです。
(チャート機能はちょっと特殊なので別の仕組みになっています。)

この種の仕組みでもっとも厄介なのが、画面構築とデータハンドリング。
これがある意味「ツール」として提供されているわけです。

パッケージとの相違、理解していただけたでしょうか?

このソリューションとツールを使い、証券会社の中の開発チームだけで、いろんな便利な画面を次々と作り出せます。

これにより、彼らはサービスの差別化を行っているわけです。

概念設計、モデリングの重要さ

これのすごいところは、「概念設計」です。
トレーディングという一連の業務の中からある共通の部分を抽出した結果このような仕組みになっているわけです。

実は韓国では同じような仕組みが銀行系、保険などにも存在しています。
銀行の場合では、例えば「与信」。これも同じようなソリューション化されています。
与信の場合、各銀行によって聞く内容は異なります。
ですが、大枠の与信業務は同じなわけです。
この異なる項目だけを作り、あとは、ソリューションの仕組みで業務を流すということです。

このソリューションを作り出すために必要な素養が「抽象化」「概念化」作業。
これらにより「モデル化」することで業務フローをスッキリさせ、結果、エラーも減るわけです。

韓国のソリューション、品質に少々問題があったりといろいろと意見もあるとは思いますが、その基本設計については非常に良い部分もあります。

日本の企業の問題点・課題

ですが・・日本で導入する場合の最大の問題点が有ります。

それは

・日本国内において社内でこのようなソリューションを扱い、差別化できる組織、人員がいないということ。
ほとんどベンダーに依頼してしまうわけです。

これでは、せっかくのソリューションを活かすことができない。
イコール「差別化できない」ということなわけです。

実際、この「ソリューション」を理解できず、「パッケージ」と思い込んでいた企業も多々あります。

今後、日本企業で必要となるのは、このソリューションのような概念を使いこなす能力です。
企業側、ベンダー側どちらにも必要となります。
(個人的には企業側の方が重要です。)

そのためには、抽象化能力、本質力を上げていく必要がある。
だからこそ、弊社ではその人材育成に力を入れているわけです。