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インターネットがビジネスにもたらしたもの

デザインとプログラムの境界の破壊

さらにブラウザの進化などから、情報の伝達方法がより高度になってきた。
今のサイトは一昔のサイトに比べ表現力が格段に増している。
その裏にはJavaScriptなどの仕組みの影響が大きい。
動的な表現力を持つサイトが作れるようになってきたわけである。
(正確にはブラウザの進化といえるが、これも元々のインターネット基盤があってのことと考えている。)

これにより、デザインとプログラムがかなり重なりあうようになってきた。
デザイナーはプログラムを意識しなければデザインできない、一方プログラマーもデザインを意識しなければできなくなっている。こうなると、お互いの業務範囲、境界が曖昧になってくる。

つまり、今までのようにデザイナの業務範囲プログラマの業務範囲と明確に分けることが難しくなっている。

情報系システムと業務系システムの境界

インターネット以前の世界では、業務系と情報系システムは切り離されていた。
これはネットワークも仕組みもが明確に分けられていたからである。

先に業務系システムと情報系システムの違いについて明確にしておこう。

名称解説
業務系システム勘定系システムのように、データ入力に対して処理を行うもの。誰が実行しても同じ処理となるもの。
例:証券システムでの発注システム
情報系システム人間に情報を与えることにより、人間に何かしらのアクションを起こさせるもの。(使う人により、情報を与える人により、内容は異なることが多い。)
例:証券システムでの価格変化情報など
業務系システムと情報系システムの違い

例えば、証券会社のトレーディングデスク。
QUICKやロイターの端末をたたき情報を取得、トレーディングの結果は会社の業務端末に入力。
これが当たり前の光景だったと思う。

当時のトレーディングデスクは様々な機器、ディスプレイでひきめしあってたことを記憶している。
巨大なデスクに様々な会社から提供された機器が並んでいるわけである。
そしてその裏側にはまるで何かの巣窟のようにケーブル類がグチャグチャにあった時代である。(当時、これを「ボックスクライシス」と呼んでいた。)

その後、ディスプレイは一つで切り替えできるようなものができた。
これであればディスプレイはすっきりするのだが、ケーブル類は相変わらずグチャグチャである。(当時、これを「ワイヤークライシス」と呼んでいた。)

今ではネットワークが統一化された結果、マーケット情報とトレーディング情報は同じネットワーク上を動いても問題なくなっている。その結果、同じ端末で表示できるのが容易になった。

こうなると、当然保有銘柄に関する情報をすぐに取り出すような仕組みが出てくる。
結果、情報系と業務系は密接に融合することになり、その境界は崩れた。

これはシステムのデザイン側にも大きく影響する。
自ずと業務系と情報系が融合したシステム構築がされることとなる。
DSS(Decision Support System)という新たな分野が出てくる。その業務プロセスを理解した上で設計できる人材が必要となる。

これはかなり高度な例であるが、そこまで行かなくても同じような例はいくらでもある。
インターネットで業務処理を行えるようになって、このような事例は急速に増えたわけである。

今までのサービスで考えれば、業務系は業務系であり、そこには他の余計な情報の表示は無かったはずである。
だが、業務系サービスの中でありながらも、様々な他の情報を提示できるだけの自由度が上がった。

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